コラム
あくびのお話
~あくびのお話~
暖かくなってくると何だか眠くて、あくびが止まらないなんていうことがありますね。あくびは眠い時や退屈な時に出る生理現象ですが、実はまだそのメカニズムは解明されていない謎多き現象なのです。
とはいえ、仕事や授業中のあくびはできれば出て欲しくない…。絶対にあくびをしたくないシーンもあります。しかしながら、あくびのメカニズムは完全に解明されてはいないので、絶対にあくびをしないという方法は今はありません。これからご紹介する方法は、あくびがなるべく出ないようにするための参考にしていただければと思います。
まず、今まさに出そうなあくびを止めたいときは、舌を動かしてみて下さい。舌で上唇や前歯の裏側をなめたり、軽く舌をかんだり、ベーっと舌を出したりしても良いかも知れません。
あくびを予防するには、次のような方法があります。
一番は「十分な睡眠を取る」「仮眠をする」ことです。睡眠が不足するとあくびの回数は増えるでしょう。寝ることがあくびを予防する一番の方法です。次に、「深呼吸をする」「適度に身体を動かす」ことです。これは脳の酸素不足により、あくびをすることで酸素をより多く取り入れようとしているという仮説に基づくものです。最後は、「疲れやストレスを緩和」することです。
疲れやストレスが蓄積されると、自律神経のバランスが乱れたり、脳の働きが低下したりすることがあります。大事な会議や試験中にあくびが出たりするのは、そういったプレシャーによるストレスをあくびで緩和しようとしているためです。心身が休息を欲してあくびにつながっているのです。
ただ、よく(長く)寝たはずなのに、何度もあくびが出るというケースは、本人は十分な睡眠を取っているつもりでも、睡眠の質が低下することにより、無自覚の睡眠不足に陥っていることがあります。また、しっかり寝ているのにあくびが頻発するのは、心身の不調や病気のサインかも知れません。
例えば、睡眠時無呼吸症候群は、自分はしっかり寝ているつもりでも、寝ている間に呼吸が止まり身体の酸素濃度が低下し、脳が休めない状態になります。そのため、翌日はあくびが止まらない、といったことになります。
栗東なす耳鼻咽喉科では、「携帯用睡眠時無呼吸検査装置」の貸出を行っています。気になる症状がある方は、お家で検査していただけますので、一度当院へご相談下さい。
眠くもないのにあくびが出る、あくびが止まらないといったことだけでは、もちろん病気ではありませんが、何か他にも不調を感じている時は、睡眠の質の低下による睡眠不足になっていたり、病気が隠れている可能性もありますので、気になるようでしたら医師にご相談されることをおすすめいたします。